小さな赤ちゃん 〜妊娠・出産編〜

 

          私の妊娠が分かったのは、まだ2ヶ月の時だった。嬉しくて顔が、ついニヤけてしまう毎日…。

         しかし間もなく少量の出血が続くようになり、病院で「流産防止」の注射を打ってもらい

         3ヶ月に入るまで様子を見ることに。

         不安に押し潰されそうな日々だったが先生から「もう大丈夫。妊娠状態は安定しました」と

         言われて「この子は強い子なんだ!」と、そう思いホッと胸をなでおろした。

         その後は順調に進み、通っていた病院では出産は受け付けていないため転院。

         段々とお腹が張りやすくなってきたが特に張り止めの薬を貰う事もなく

         私自身は、順調・順調♪と、浮かれ妊婦生活を送っていた。

         そして…その日が来た。遅い時間に風呂に入ると、ポタ、ポタ…。ええ?出血?!

         風呂から上がり様子を見ていたら、お腹の張り・痛みが5分間隔になっている!

         しかも段々と出血量が増えてきている。あわてて病院に電話をして体の状態を話すと

         「入院準備をして、すぐに来てください」と言われ、主人と病院に向かった。

         不安ではあったが、いつもと変わらず元気にお腹の中で動いてる赤ちゃんがいる。

         そのことが私を勇気づけてくれていた。

         病院に着き早速、内診をしてもらうと子宮口が3p開いていて、出血量もひどいらしい。

         その後、エコーで胎児の確認。とても元気に動きまわっている…。

         しかし、お腹の張り・痛みは相変わらず5分間隔にやってくる。

         「転んだり、お腹をぶつけたりしませんでした?」先生に聞かれても一切、身に覚えはない。

         ついに「これは、もう止まらない。NICUのある病院を探すので緊急オペにしましょう」と言われた。

         先生が受け入れ先の病院を探しはじめて30分ほど経って、やっと見つかった。

         NICUのある小児専門の病院で、出産したら赤ちゃんだけ搬送されるとの事。

         “外の世界に出てきて、すぐに離ればなれになるの?”かなり動揺していた。

         “でも、この子が助かる道は…それしかないんだ!”心の中での葛藤をする間もなく、いざ、手術!

         意識がはっきりしていて産声を聞く事ができるよう麻酔をかける、と説明され少しホッとした。

         そして開腹されて、すぐに先生が「ああ、きれいなハート型だ。双角子宮だね」と言った。

         ハート?なんだ、そりゃ!? 私は何を言われてるのか、よく理解できなかった。

         先生は「術後の診察時に説明しますが、子宮の形が普通と違うんですよ」と言った。

         それから間もなくだ。お腹をグイグイ引っ張られるような感覚のあと、大きな「オギャー」という

         産声を聞いた。一瞬、私は放心状態におちいった。

         そして、すぐに「ああ、元気な子が産まれてきてくれたんだ」と、たて続けに泣いている

         子供の声にウットリとし、気づいたら声を上げて泣いていた。

         子供は、すぐに待機していた小児病院の先生から色々な処置をされ、救急車で搬送されていった。

         29週と5日。11週も早く生まれた我が子は、1194gの小さな小さな赤ちゃんだった。

         そして、可愛い女の子。娘には一週間前に決めたばかりの名前を付けた。「優里」と…。

 

         術後、先生から改めて説明をして頂いた。普通の子宮は楕円形なのに対し、私の子宮は

         双角子宮といってハート型にくびれた奇形子宮なので、そのくびれた所にひっかかっていて

         逆子が治らなかったと思われるそうだ。そして、先生は言われた。

         「ここまで保ったのは奇跡ですよ!早く産まれちゃったけど、大丈夫。とても強い子ですよ」と。

         ああ、そうか。やはり強い子なんだ!

         先生の言葉で、ますます娘の強さを信じる事ができた私だった。

 

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